入社前にバックグラウンドチェックが必須だと言われ、なぜか焦る
今日は私が転職するときに初めて経験し、とても戸惑った「バックグラウンドチェック」について書きたいと思います。
私はラッキーなことに、「調査をされる側」と「調査に協力する側」の両方を経験する機会に恵まれました。
その経験から私が知ったことを余すところなく書いていきます。
履歴書や職歴に嘘を書いてしまって不安になっている人へ
この記事を読んでくださっている方の中には、履歴書や職務経歴書に盛った内容を書いてしまって、嘘がバレやしないかと不安になっている人もいると思います。
当然ですが、バックグラウンドチェックは嘘を見抜くための調査なので、まずバレると思った方がいいです。
無駄に不安にならないためにも、次回からは正直な内容で勝負してください。
といっても、嘘を書いてしまう気持ちもわかります。。
私自身、派遣登録の時に最終学歴の欄に「大卒」って嘘を書いたことがありました。
実際のところは中退です。しかも2回。
大卒の方が紹介してもらえる仕事も多いしお給料がいい案件を狙えるので、「このくらいならバレないだろう」と思って魔が差してしまいました。
一度書いてしまうと「あの、あれ実は嘘なんです」とも言い出せなくて、そのまま話は進んでいき・・・
そのまま何事もなく仕事が決まり、就業中もバレることはなかったのですが、もしバレたらどうしようと気が気じゃなくて心が休まる時がありませんでした。
そもそも派遣は大卒でも高卒でも同じ時給。
しかも派遣の場合、時給のいい案件では学歴よりも実務経験がものを言います。
即戦力になれるかどうかが重要なんですね。
馬鹿なことをしたとものすごく後悔しましたし、もう二度と嘘を書くのはやめようと思いました。
生きた心地がしなくて本当に後悔したのと、こんなに精神的に追い詰められるなら、全然割りに合わないからです。
嘘をついて入社できたとしても、そのあとずーっと怯えて過ごすなんて私には無理。上司に呼ばれるたびに「まさかバレた?!」ってビクビクするなんて嫌だし、精神がもたない。
だから、絶対に嘘をついちゃダメです。
1ミリも自分のためになりません。
嘘を書いたことを後悔しているなら
今さら本当のことを言ったところで「正直に打ち明けてくれてありがとう」とはなりません。
採用担当者も忙しいですし、嘘を書くような人はその時点で落として他の候補者に時間を割きたいに決まっています。
嘘を反省して打ち明けることは誠実なように思えますが、採用の現場では「嘘なのかよ。選考に時間かけた方の身にもなってくれよ」で終わりです。
転職活動中の精神的な負担は相当のものです。
不採用通知が届くたびにこの世の終わりのような気持ちになるし、書類選考に通っただけで余裕ぶっこいちゃったり。
一喜一憂して、本当に疲れます。
だから、嘘を書いた会社のことは一旦忘れて、次に進むのが一番です。
一つの案件に執着しすぎず、次の案件に進みましょう。
転職活動中は、考えてもどうにもならないことに精神力を使うのは本当に無駄ですし、大きな不利です。
嘘を書いてしまった後悔を、次に生かすしかないんです。
もうしてしまったことに頭を悩ませている時間がもったいないです。
もし私のように嘘がバレずに選考に通ってしまって、そのあとずっとビクビクして過ごすことになるくらいなら、むしろ落ちた方が精神衛生上いいくらいです。
してしまったことはしてしまったこと。もう仕方ない。
時間を無駄にしないためにも、他のチャンスを逃さないためにも、他の案件をじっくり見てみることをおすすめします。
バックグラウンドチェックとは
改めてここでバックグラウンドチェックとは何かを説明すると、今までの職歴や人物像を調査することです。
面接で見抜ききれない人物像や書類の内容の真偽について調べることで、採用候補者が信頼できる人物か、実績に嘘はないかなどを確認する作業のことを言います。
調査するのは第三者の調査会社です。
企業から依頼を受けた調査会社が、指示された項目について詳しく調べていきます。
何をどこまで調べられるの?
転職などの際、バックグラウンドチェックが入社の条件になることがあります。
海外ではよくあるようですが、日本ではそこまで浸透していないかもしれませんね。
自分の過去を調べられるとなると、何をどこまで調べられるのか、ものすごく気になりますよね。
私自身、今の会社に入社するときにバックグラウンドチェックをされました。
とても胸を張れるような経歴ではないので、入社が決まるまでの間はものすごく不安でしたよ。
また、私は調査される側だけでなく、調査会社から連絡を受けて調査に協力する側になった経験もあります。
具体的に言うと、「あなたが一緒に働いていた○○さんについて聞きたいのですが、○○さんについて幾つか質問に答えてもらえますか?」とインタビューを受けました。
以前一緒に働いていた先輩が転職する際にバックグラウンドチェックをされることになり、調査の回答者として私を指名したんですね。
おかげでバックグラウンドチェックではどんなことを聞かれるのか、丸ごと知ることができました。
この人本当に雇っても大丈夫?雇う側も不安とリスクでいっぱい
バックグラウンドチェックの目的は、採用候補者が信頼に足る人物か、その企業に適した人材かを調べることです。
簡単に言えば、雇っても大丈夫な人なのかを企業側も確かめたいんですね。
そのためにお金を払って外部の調査機関に依頼して、その人の過去を調べてもらうわけですね。
依頼する企業は調査会社に対してそこそこの対価を払っています。
だいたい一人5万円前後が相場のようです。
結構な額ですよね。
雇う側はとしては、そこまでしてでも採用候補者の「真の顔」を知りたいと思っているということですね。
調査内容は、主に次の7つ。
調査会社が調べる内容は、主に以下の7つです。
調査される項目
調査される項目
- 学歴
- 職歴
- 勤務態度
- 破産歴
- 民事訴訟歴
- 反社確認(反社会的勢力に属していないか)
- メディアサーチ
他にも企業側の要望によって増えたり減ったりすることもありますが、概ね大きく外れることはないと思います。
ちなみに信用調査されるのか否かを不安に思う人も多いと思うんですが、調査会社がまともな会社であれば、信用調査はされないようです。
というのも、信用情報というのは決められた目的で、決められた機関でしか確認することができないようになっているからです。
この「決められた目的」というのが重要なんですが、ここで定められた目的の中に「採用の際の身辺調査」は含まれていません。
専門機関が信用情報を照会・開示していいのは、融資の新規契約や増額などの際に、現時点でどのくらいの借入残高があるのかを確認することが目的の場合に限られています。
とはいえ、これから雇おうという人が借金をしているのかどうか、雇う側も気になる部分ではあるでしょう。
まともな調査会社は信用情報の利用ルールを破るような調査はしませんが、中には法律スレスレのことをしてでも依頼者が欲しい情報を手に入れる、手段を選ばない調査会社もあるようで・・・。
ただ普通の会社ならそんなところに依頼しないでしょう。
無駄にコストもかかりますからね。
まともな調査会社でも一人当たり3〜5万円のコストがかかるので、信用情報まで無理やり調べるような調査会社に頼むとなると、さらに高額な費用がかかります。
企業としても一人に対してそこまで高額なコストをかけることは難しいですからね。
学歴調査について
これは簡単で、卒業証明書を提出するように言われます。
また、調査会社から学校に電話が入り、本当にこの人は◯年に卒業しているのか、と聞かれます。
学校側がどこまで答えるかはその学校や担当者によりますね。
今は個人情報の取り扱いが厳しいので、調査会社を名乗ったくらいじゃ簡単に情報を開示しないところも増えています。
迂闊にあれこれしゃべって、実は相手が調査会社の人間ではなく詐欺師だった、なんてことになったら大問題ですからね。
ただ調査会社も企業からお金をもらって仕事をしている以上、あっさり引き下がるわけにもいきません。
丁寧に事情を説明して、採用候補者から提出された履歴書を元に、ただ内容の真偽を確かめたいだけだと食い下がります。
学歴については、履歴書に嘘を書いていなければ何を聞かれても特に心配することはありません。
職歴について
これも学歴と同様です。
この人は本当に職歴に書かれた通りの期間、書かれた通りの仕事をしていましたか?と過去の勤務先に電話が入ります。
調査の依頼主である企業に取って、一番知りたいポイントのひとつが過去の勤務態度や出勤状況、そして仕事内容です。
個人情報保護などを盾に何も答えてもらえないとなるととても困るんですね。
そのため、以前勤めていた会社に予め連絡しておくように指示されます。
「◯月◯日以降に△△という調査会社から私の勤務態度や仕事内容について調査が入るので、お忙しいところすみませんが、電話があったら答えておいてください」と伝えておかなければなりません。
過去にその職場をどんなに気まずい形で辞めていたとしても、連絡しなければなりません。
円満退社なら全然問題ないんですが、そうでない方もいるはずです。
そうなるとこれは結構つらい関門となります。
私自身、入社した会社がブラック企業だったことがあり、逃げる形で辞めた経験があります。
休日にこっそり出勤して残っていた仕事を片付け、退職届を郵送してトンズラしました。
その職場も調査対象に入ってしまったので、意を決して連絡しましたよ。
今でも思い出したくないです。
最後はもうどうにでもなれという気持ちで電話しました。
電話に出た元上司にこう言いました。
「私の辞め方に問題があったことは認めますが、仕事は誰よりもきっちりこなしていたはずです。それだけは自信がありますから、調査会社から連絡が来たら、私の仕事っぷりについては嘘偽りなく伝えていただけますでしょうか。よろしくお願いします」
その後その元上司が調査会社に何をどんな風に伝えたのか、実際のところはわかりようもないですけどね。
嫌な辞め方をした職場にも容赦なく調査の電話が行くので、そんな過去がある人は覚悟しておきましょう。
ちなみに拒んだらどうなるかというと、調査会社からの回答は以下の通りでした。
「過去の会社への連絡を拒まれました、と企業様へお伝え致します。それにより、企業様があなた様に対して不信感を抱かれる場合もありますが、拒まれた以上はそのように報告させていただくしかありません」
そんな報告をされたら当然企業から嫌な印象を持たれますし、内定取り消しになる恐れもあります。
そう考えると、拒むのは無理だと思った方がよさそうですね。
過去にトラブルを起こして辞めた人は、この際当たって砕ける覚悟を決める必要があります。
もしも調査回答者を自分で選べるなら、とてもラッキーです。
私の場合は「回答者は直属の上司限定」と企業が指定していたので逃げ場がありませんでしたが、私の先輩のように回答者を自由に選べる場合もあります。
もしも回答者を選べるなら、なるべく仲のいい人にお願いして協力してもらいましょう。
勤務態度・出勤状況など
勤務態度や出勤状況を調べる際は、以前の同僚や上司から電話で聞き出すようです。
一緒に働いていた先輩(以下Yさん)について、私が聞かれた内容は以下の通り。
- Yさんと◯◯会社で一緒に働いていたことは間違いないか
- Yさんはどのような姿勢で仕事に望んでいたか
- Yさんの働く姿を見て、どう思ったか
- Yさんと周りの人間関係はどうだったか
- Yさんの長所は何か
- Yさんに直すべき点があるとすれば、どのようなところか
- Yさんを簡単に言い表すとどのような人か
- Yさんの出勤状況はどうだったか
- Yさんとまた仕事をしたいと思うか
電話をかけてきた調査会社の方は、とても物腰の柔らかい丁寧な人でした。
回答者が構えず素直に話せるよう、話し方を訓練されている印象を受けましたね。
私もこんなことを聞かれていたんだなーと改めて思いました。
誰宛に連絡をするかは自分で指定できることもあるので、前の会社に何人か味方がいると心強いですね。
その他のことについて
破産歴や訴訟歴については説明するまでもないですね。
メディアサーチは読んで字のごとくネットなどの媒体で名前検索か何かされて調べられるんでしょうが、正直ここはよく知りません。
逮捕歴があるとか、ブログで会社の情報を垂れ流したとか、そんな過去がなければ恐れる必要はないと思いますが。
ただツイッターやFacebookは要注意ですね。
特にFacebookは実名登録が基本ですから、あれこれ書いていると余計なところで足をすくわれかねません。
事前に内容を見直して、自分に不利になりそうなところは調査される前に対処しておいた方が安心ですね。
調査結果について
調査される側には特に何も知らされません。
あくまで調査会社は企業からの依頼で調べているので、調査結果を企業に伝えて終わりです。
調査結果を見てどう判断するのかは、企業にかかっています。
私の場合は、何事もなく入社日が訪れたので、「なんとか無事にバックグラウンドチェックもクリアできたのか」と。
入社日まで落ち着かない気持ちで、とても心臓に悪い時間を過ごしましたよ。
嘘は書かないようにしましょう
当たり前のことですが、履歴書や職歴に嘘は書かないようにしましょう。
バックグラウンドチェックが行われるのはたいてい書類選考や面接を通過した後ですから、嘘さえなければ何も心配せずに次のステップに進むのみです。
自分の学歴や職歴に自信がなくても、それをどう捉えるかは相手次第。
堂々としていた方がいいと思います。
学歴不問や経験不問の仕事もたくさんありますから、まずは自分が堂々と勝負できそうな会社を選んでエントリーしてみることをおすすめします。